THAI LANGUAGE TRANSCRIPTION in THIS SITE ⇒Wikipedia タイ語を記述するタイ文字はタイ族初の王国であるスコータイ王朝期にクメール文字を参考にして作られた。従って 当サイトの転写法もクメール語が元にしているサンスクリットやパーリ語に準ずることとするが、 歴史的な変化により 話が込み入っているので文字や発音を具体的に示しながら説明することにする。 梵字に対応するタイ語の子音字は、以下の通り。 =「k (a)」 = 「kh(a)」 =「g(a)」 =「gh(a)」 =「ng(a)」 =「t#(a)」 =「t#h(a)」 =「d#(a)」 =「d#h(a)」 =「n#(a)」 =「tレ(a)」 =「tレh(a)」 =「dレ(a)」 =「dレh(a)」 =「nレ(a)」 =「t(a)」 =「th(a)」 =「d(a)」 = 「dh(a)」 =「n(a)」 =「p(a)」 =「ph(a)」 =「b(a)」 =「bh(a)」 =「m(a)」 =「s(a)」 =「sレ(a)」 =「s#(a)」 =「h(a)」 =「r(a)」 =「 l(a)」 =「lレ(a)」 =「y(a)」 =「w゛(a)」 「a」音を伴っているのは梵字同様だが、子音のみ取り出すには = (無母音記号) を使う。或いは子音連続を示す独自の記号もあったが今は使われない。「a」以外の母音を示すには以下の記号を付す。 =「 i 」 =「u」 =「a ̄」 =「 i ̄」 =「u ̄」 =「 e ̄ 」 =「 o ̄ 」 = 「ai 」 「a ̄e ̄」 記号=「au」 独立字体は無いが、次のクメール由来の子音字に母音記号を付して代用する。 =「’(a)」 なお、本来は「’」=【声門破裂音(母音を力んで発する時に生じる音)】であるが、タイ語でも音節頭の母音は常にこの音 を伴うことになっているので整合性はとれている。母音的流音の方はクメール文字同様に独立形のみ作られ、依存形と しても使ってしまう。 =「r・」 =「l・」 =「r・ ̄」 =「l・ ̄」 ただし子音字に母音記号として付される時は当の子音字に無母音記号を付してから書くことになっている。なお、長音 「r・ ̄」「l・ ̄」の後ろ半分は「a ̄」記号よりも微妙に長いことに注意する。アヌスヴァーラ記号は、 =「m・」 となる。「h゜」が無いが、パーリ語仏典の転写にはこれで十分である。タイ語では音節末に【h】音は決して存在せず、 どうせ作っても読まれないだろうから、このままでサンスクリットを転写しても気にはならない、はずである。 しかしタイ語も表記しなければならないわけだが、特有の音に対応する文字も設けられねばならない。 その特有音に対応する子音字の方は次のように定められた。 =「χ(a)」 =「γ(a)」 =「ζ(a)」 =「dレ`(a)」 =「d`(a)」 =「b`(a)」 =「f(a)」 =「v(a)」 =「h・(a)」 しかし現在では発音体系が昔と変わっており、往時の発音の詳細は今後の研究を待つしかないので、今は転写記号 のみ定めてお茶を濁しておく。なお、タイ語の音節構造は最大でも「CC 'V C "」であり、子音字の多くには音節始めと 終わりとで異なる発音が充てられている。すると現代タイ語での子音字の読みは次のようになっている。
こうして現在は、「χ(a)」は「kh(a)」と、「γ(a)」は「g(a)」と働きが全く同じになってしまったので使われていない。 もっと減らせるような気もするが、欧米型タイプライターのキーに割り当てられぬ分だけしか削られなかったのである。 次に特有の母音字も必要だが、それはクメール人が既に作ってある。 =「 すると「r・」「l・」のタイにおける実際の発音は次のように表すことができる。 「r・」〜【r 「l・」〜【l ここで「r・」に2通りの読み方が存在するので、当サイトではそれに応じて転写法も変えるものとしておく。 「r・」→【r i 】で読む場合は「rι」に変更 そして特有の二重母音として =「a も設けられたが、現在では「ai 」と同発音になっており、実質20個の単語でしか使われない。よってこれも元の発音は 詳らかでない。 さて、上で無母音記号に触れたが、実はこれは梵語仏典のみの話であって、タイ語にあっては考案時から現在に至る まで使われたことが無い。すると内部母音【a】を読んでいいものか判断し難いが、当初は開音節と閉音節とで綴り字を 変えたり隣接文字をくっつけたりして対応していた。だが、次第に文字をくっつけることはなくなり、現在では母音の綴り にのみその痕跡が垣間見られるだけで、完全に読みを決定することはできていない。不完全だろうが何だろうが、ここで 母音の実際の綴り方を説明せねばならなくなったわけだが、そこでまた幾つかの記号が必要となる。 まず、今や必要無くなったヴィサルガ記号「h゜」は短母音を伴う開音節に付されることが多い。 = 「h゜」(ウィサンチャニー) なお、タイ語は音節末の短母音を嫌うらしく、従ってその場合(つまり開音節末の母音)は語末に声門閉鎖音【’】を帯びて 発音される(ただし複音節の単語で語中にある時はその限りでない)が、「’」字は明記されず、結果として末子音用法の 「’」字は音節末には決して立たぬこととなる。一方で閉音節の短母音には、クメール起源の記号 = 「¶」(マィ・ハン・アーカート) が付されることがあるのだが、これはクメールでは本来「子音字内部の母音をそのまま発音する」ことを意味していた。 次の記号は長母音を短母音に変換する働きがあり、後述の声調記号が置かれる場合は省略されてしまうけれども、 当サイトでは常に明記することとする。 = 「÷」(短母音化、マィ・タィクー) そこでようやく現代タイ母音の綴り規則を具体的に挙げることができる。
なお、当サイトでは複合母音としての「w゛a」を明示するべく、濁点を取り除き「wa」とすることにしてある。 そして、これらの綴りの後ろにさらに末子音「w(濁点抜き)」「y」を付けて複合母音を作ることもできる(「w」は【@】っぽい) が、ここでは次の注意すべき綴りを挙げておくのみにしておく。 「e ̄y」〜【 なお、なぜか「r」でない子音字の後ろの「r(a)」字は【@ ̄ 】+「r」字(【r/n】) のように読まれるので次のように転写する。 「C (a)」+「r(a)」→「C @ ̄r(a)」と転写〜【C @ ̄】+【r(a)/n】で読む (C ≠ r ) 実は昔は、開音節の「C a」綴り(つまり子音字1文字単体)は【C @ ̄】と読まれていたのであり、今でも子音字の名称 はこの音でもって呼ばれているのである。しかしここでの「C @ ̄」は開音節でも閉音節でも構わない。 ひょっとしたら単に中国語の影響なだけなのかもしれないが、タイ語には声調も存在する。 = 「\」(第一声、マィ・エーク) = 「∧」(第二声、マィ・トー) = 「/」(第三声、マィ・トゥリー) = 「∨」(第四声、マィ・チャッタワー) しかしこれらは、実際の音の高さと必ずしも一致しているわけではなく、子音字の種類などによって異なる。 (古くは平声の他は「\」と「∧」しかなかったので、恐らくは時代が経つにつれて複雑になっていったのだろう)
実は既に上の方で子音字を色分けして示しておいたのだが、それがその区分となる。 さて、タイ語の多重子音(従って音節頭にある)も元は子音字を合体させて示されていたのだが、現代ではやはり単純に 並べて書いているだけなので、しばしば判別に苦しむことになる。だが、現代タイ語では音声的に本当の多重子音は 以下のような二重子音のみに限られる。 「pr」 「pl 」 「phr」「br」(〜【phr】) 「phl 」「bl 」(〜【phl 】) 「tr」 「kr」 「kl 」 「kw゛」 「khr」「gr」(〜【khr】) 「khl 」「gl 」(〜【khl 】) 「khw゛」「gw゛」(〜【khw】) (ただし実際には後半の「r」や「l 」は弱く聞き取りがたい)「本当の」と言うからには「疑似的な重子音」も存在する、つまり 重子音の後半の弱い「r」が本当に消滅あるいは融合されて実際は単一の子音になったものがある。 ・「dr」は【s】音になる (つまり「ζ」字扱い) ・「sr」「s#r」「t#r」では「r」字は無音 (つまり【s】【s】【t#】音) そして「真」だろうが「疑似」だろうが、重子音を含む音節の声調は最初の子音字によって決定される。従って声調記号も 重子音の最初の子音字の上に書かれる。母音記号は両方の子音字を挟むように表記する、つまり左付きの記号(「e ̄」 や「o ̄」「ai 」「a 実はタイ語にはまたさらに別種の「見かけだけの重子音」があり、こちらはほぼ制限の無い2子音間に【ア】音を伴って 読まれ、「先導子音」と呼ばれるが、本サイトではこれを次のように記すこととする。 先導子音「C (a)」+「C ´(a)」→「C &C ´(a)」と臨機応変に書く (アクソーン・ナム) しかしこれは厳密には1音節を既に含んでおり、声調も前半と後半で別々に決められるが、前半分には声調記号が 付いていないものと見なし、よって先導子音では後ろの子音字にのみ声調記号を付し得る。すると最早「重子音」との 共通性は2子音を挟むように母音を表記する、ということくらいしかなくなる訳だが、これを周辺語族にも見られる 「1.5音節」の名残とする説を採れば見通しがよくなるかもしれない。しかし、これまた厄介なことに先導子音の声調 には例外規則が存在したりする。 ・後半の子音が半母音性の音【n/ng/m/l/r/y/w】(従って低子音字である)なら、後半の声調の決定には 後半の子音字でなく前半の子音字を用いる。 ・↑の場合で、前半の子音が「h」字なら前半分(つまり【ha】)は発音されないが、声調の決定にだけは関与する (ホー・ナム)。よって後半の低子音字は音はそのままで高子音字扱いになる。 ・稀に「’&y」における「’」字も↑「h」字同様の働きをすることがある(オー・ナム)。つまり後半の「y」字は音は そのままで中子音字扱いになる。しかし、そのような単語は次の4つしかない。 「’&ya ̄\(=d’ont)」「’&ya ̄k(=desire)」「’&ya ̄ng\(=yet)」「’&yu ̄\(=stay)」 (仲間言語との比較によれば、恐らく「ホー・ナム」「オー・ナム」は共に「1.5音節」と関係は無く、本来は 単に【hC 】【’y】に近い音を表していただけと考えられるが、起源の明らかでない重子音状のものは全て 「先導子音」に一括りにされてしまっているように思われる) 前述の通り、タイ語では無母音記号は全く表記されないので、ただ単に子音字が2つ並んでいるだけでも、間に 内部母音があるのか、それとも重子音なのか、さらに先導子音であるのかは判別は不可能であり、結局は単語を 1つ1つ覚えていくしかないが、当サイトで臨機応変に転写するので問題は生じないはずである。 注意せねばならないのは子音連続だけでなく、子音字1文字ですら実は複数の音を省略したものかもしれないという 場合がありうる。具体的には音節末の「C (a)」〜【末子音C +C a】であることがあり(後半には声調記号は無いものと 見なす)、これを「二重機能」と呼ぶが、当サイトではこれは次のように明記するものとする。 二重機能を持つ「C (a)」字→「C 々a」と臨機応変に転写 実は初期の表記法では音節末の【aC 】音は「aCC 」の如く音節末子音を2度重ねて綴ることになっていたのであり、 その痕跡に無用の類推が働いたものなのかもしれないが、今の場合は一般の「VC 」に適用できる、つまり「V 」は 何でもよい。同様の事情により頭子音の後ろの「arr」字は「ar」のように振る舞うが、後ろに末子音を伴い閉音節を 成す時には単なる【ア】音で読まれる特殊綴りであるので、これには特に下線を引いて転写することとする。 「C arr」字→「C ar。r 」と転写 〜「C 」+【an】(開音節) 〜「C 」+【a】 (閉音節) (ロ・ハン) タイ語の単語には通常規則に従わない無音の文字も少なからず含まれ、それを判別することは不可能だが、本サイト ではこれも明記することとする。 読まない文字→「 。 」を付す 一方で実はクメール起源の黙音記号もあり、やはり文字を無音にする効果がある。 = 「 。。 」(黙音記号、カーラン) しかしこれは専ら外来語にしか使われないが、これにより既存の単語と同じ綴りになるかもしれぬ事態が避けられる。 付録 お役立ちサイト Sawasdee Thailand − タイ語の話とか諸々 東外大研修用テキスト::タイ語の発音と文字(PDF) thai-language.com − タイ語色々 英語 辞書あり SEAsite::タイ語 − 北イリノイ大 英語 左側から入る タイ文字最初期のラームカムヘーング王碑文も見れる Thai character picker − タイ文字をブラウザ上で入力できるスクリプト WEBタイ語エディタ − ブラウザ上でタイ語入力を支援 付録 転写と発音の例 =w゛e ̄e ̄h゜=【ウェッ (高)】=立ちよる この単語は1音節で構成され、「w゛(a)」は「ワ行」で読み低子音、「e ̄e ̄h゜」は【広口の「エ」】で短母音で 終わるわけだから、何の声調記号も付いていない場合を上の方の表と照らし合わせてみれば実際の声調は 「高声」と分かる。 タイ語の短母音は後ろに【’】を帯びるが、一瞬声門を引き締める程度でよいかと思われる。 =kah゜ da¶n ha¶n=【カタンハン (低平上)】=突然 同じ【ア】音を表すにも異なる綴りでもって音節が開いているか閉じているかが示されているから、何の記号も 付いていない「n(a)」字はこの語では全て末子音(内部母音が存在しない)である。 音節頭の「d」はタイ語では実際には帯気音【th】であることに注意。始めの音節の最後は短母音なので【’】音 を帯びてそうだが、語中であるので無理して【カ・タンハン】と区切って読まずとも通じる筈。 =mway daiy=【ムァーィ・タィ (平平)】=タイ式キックボクシング 子音字「w゛(a)」「y(a)」が多重母音「way」「aiy」を構成している。 「wa」も「ai 」も「長い」ことになっているが、あまり気にせずとも構わない。しかし声調を決める時はこれが問題と なることもある(この場合は末子音「y」があるので関係ない)。 後半は勿論「タイ王国」の国名なわけで、「aiy」でなく「ai 」だけでも良いような気がするけれども、これはそういう ものなのである。なお、「a 音節の先頭の「d」は澄んだ帯気音【th】であるが、日本では単なる「タ行」で構わない。 =’a’am\=【オーム (低)】=柔らかい 何の母音記号も無い頭子音は、内部母音【オ】が付くとしても閉音節を構成せねばならないが、二番目の 「’(a)」は末子音には成りえない。よって始めの「’(a)」は単なる子音【’】であり、その次の「’(a)」は母音 記号として使われることになる。「a’a」は開音節にも閉音節にも使えるが、記号も何も付いていない語末の 「m(a)」字は末子音でしかあり得ない。(なお、先導子音の声調記号は後ろの方の子音にしか付かないので 「’&’(a)」の可能性は無い) 【’】は母音をはっきりと発音する時に生じるものであり、あまり意識する必要はないが、その前に別の単語 があったとしても繋げないで区切って読まねばならない。 =t#h&ba ̄e ̄h゜=「チャポッ (低高)」=特別な、特別に 一番最後に「a ̄h゜」があるが、これは母音の綴り規則には存在しない。しかし一番最初の「e ̄」と合わせた 「a ̄e ̄h゜」なら存在する。よって間に挟まれた「t#h(a)」と「b(a)」は重子音を構成する。しかし「t#hb」などと いう「真正の重子音」はタイ語にはないからこれは先導子音「t#h&b(a)」である。先導子音の声調は前半と 後半でそれぞれ普通に求められる(もし後半に声調記号があっても前半に作用することはない)。なお「b」は 音節頭で【ph】音である。 =s&me ̄’a s&me ̄’a=【サモー・サモー (低上低上)】=常に 一番最後の記号は単なる「繰り返し記号」で、ここでは本質的なものではない。 普通に考えれば「se ̄」+「ma’a」で矛盾は無さそうだが、そのような音を持つ単語は存在しない。正解は 母音記号「e ̄’a」の間に挟まった先導子音「s&m(a)」であるが、これは殆ど予想不可能である。 なお、先導子音の後半は【m】だから、後半の声調も「m(a)」字でなく前半の高子音「s(a)」字が関与する。 =d#i ̄e ̄yang h&ma 前半は多重母音「i ̄e ̄ya」=【ィァ(ー)】以外はとりたてて言うこともないが、ここでの本題は後半である。 声調記号は末子音ではなく頭子音に付されることになっているので「m(a)」字は末子音であり得ず、「a と声調記号に挟まれた部分が先導子音「h&m(a)」を構成することになる。そして「h」と「m」の組み合わせ では、高子音「h(a)」が先導子音の後半の声調に関与するだけで、前半は発音されない。 なお、この語は「チェンライ」市に対して新しい(h&ma 少数の例になっているが、以下に「a h&n#a sa d`a fa =’&yudh々aya ̄=【アユトタヤー (低高高平)】=アユタヤ市 母音記号無しの子音字は、その後ろに明らかな音節があるのに末子音であることが明らかでない場合は 常に先導子音の生じている可能性があるが、語頭には先導子音の可能性しかない。 しかしここでの本題はその後ろの「dh(a)」字で、前の「u」記号が開音節でも閉音節でも使えることになって いるので、末子音の可能性があると共に先導子音「dh&y(a)」の可能性もあるけれども、この場合は末子音 でありしかも二重機能が生じている。いかなる末子音も二重機能を帯びている可能性があり、従ってこれを 予測することは不可能である。「dh(a)」字は音節頭で【th】、音節末で【t】の音を持つから「dh々a」=【t】+ 【th a】となるが、付加された部分には声調記号は無いものと見なされ、「’&y」が声調の例外規則を生じる のは上の方でも述べた通りたった4語においてのみでこの語はそうでないのだから、その声調は普通に 求まる筈である。 なお、この語は「ラーマーヤナ」にも出てくる「ayo ̄dh ya( ̄)」市に由来する。 =krung de ̄b=【クルングテープ (平下)】=首都バンコク タイ王国首都の国際的な名称である「バンコク」は実はあくまで首都の一地域であり、現地では普段このように 呼んでいるが、正式な名称はやたら長いので最後に省略記号が付されている。 語頭に「真の」重子音「kr」が生じているが、厳密には文字を見ただけでは断じることはできぬものの、確率的に は「真の重子音」を起こしうる組み合わせを見つけたら、その通りに重子音で読んでおいた方が無難ではある。 最初の音節の声調の決定には、重子音「kr(a)」の後半「r」は一切関与せず先頭たる「k(a)」字のみが関り得る。 なお、「krung」=「都市」であり、後半はサンスクリットの「de ̄w゛a(天部)」に由来するが、タイ語では修飾語は 後置されるので、これは「神々の住まう都」の意となる。 =k&runレa ̄=【カルナー (低高平)】=どうか〜して下さい、慈悲 「真の重子音」を構成しうる子音字の組み合わせを見つけたからと言って糠喜びしてはならない、という例。 迷ったら辞書を引く。この語はサンスクリットやパーリ語の「karunレa ̄」に由来する。 =phal / phal々a=【ポン(上) / ポンラッ (上高)】=効果、結果、産物、果実 これも「真の重子音」っぽいが音節の構造上そうならない。これには二通りの読み方があり、二重機能を用いる 場合もある。タイ語の音節末では【r】や【l 】は存在しえないので、「r」や「l 」はそこでは【n】音になる。ちなみに 現タイ国王「プーミポン・アドゥンヤデート」陛下の後半も「アドゥンラヤデート」とされることがある。 この語はサンスクリット「phal」やパーリ語「phala」に由来している。 =drang=【ソング (平)】=王語を作る小辞、形(作る) 語頭に疑似的な重子音「dr(a)」があるが、これは「ζ(a)」の如く扱われるので【s】音で読む。 =d@ ̄rama ̄n=【トーラマーン (平高平)】=苦しめる、拷問 疑似的な重子音「dr」っぽい組み合わせもやはり油断できない。疑似的な重子音でも先導子音でもなく、 この場合は【@ ̄r(a)】が生じている。この語はパーリ語の「damana」から派生している。 =dh ar。r m=【タム (平)】=仏の教え、義務 閉音節内の「ar。r 」は【a】で読む。この単語はサンスクリットの「dharma」に由来する。 =bh ar。r々aya ̄ / bh ar。r ya ̄=【パンラヤー (平高平)/パンヤー (平平)】=妻 開音節内の「ar。r 」は【an】で読めばよいが、さらに「ar。r 」の最後「r」が二重機能を帯びている。これは 予測不可能だが二重機能の無い読み方も許されている。この語はサンスクリットの「bha ̄rya ̄」に由来する。 =s#ri ̄=【シー (上)】=栄光の、吉祥の、等々の美辞 疑似的な重子音「s# r(a)」では「r」は無視される。この語はサンスクリットの「s# ri ̄」に由来する。 =b`@ ̄risuddhi。。=【ボーリスト (低高低)】=純粋な これはパーリ語の「parisuddhi」を借用したものだが、黙音記号「カーラン」を付して最後の文字が読まれぬ ようにしてあり、短母音で単語が終わらぬようになっている。先頭は先導子音の可能性もあるが、この場合は そうではなく「@ ̄」を挟む。 =br・ksレa。。=【プルク (高)】=植物 この語はサンスクリットの「br・ksレa」を借用したものであり、語末に「カーラン」があるのでそこは読まない。 「r・」は「b(a)」に付く母音記号として扱い、普通は【r =rιddh i。。=【リト (高)】=能力、神通力 「r・」を【リ】で読むので転写記号を変えてある。これはヴェーダ語の「r・ddhi」から来ており、やはりカーランが 付いている。 =t#a¶ndra。。=【チャン (平)】=月 サンスクリット「t#andra」に由来する単語。「カーラン」は「r(a)」に付いているようだが、その前の「d(a)」も読まぬ のでむしろ疑似重子音「dr(a)」に付されていると解釈する。ちなみに「インドラ」神もタイ語では【イン】神となる。 =d#a ̄ti。=【チャート (下)】=国、誕生、生まれ この語はサンスクリットの「d#a ̄ti」に由来するが、この場合は「カーラン」が無くとも母音記号だけ読まない。 というか、「カーラン」を付けると子音字まで読まないとも誤解されかねないので、どっちみち誤解されるなら 無駄な努力はしない。 =brah。ma。=【プロム (平)】=梵天 この語はサンスクリットの「brahma ̄」を借用したものだが、「カーラン」無しで読まれぬ「h」字が生じている。 タイ語では音節末に【h】の立つことはない。 =be ̄d# ra。=【ペート (高)】=ダイヤモンド これはサンスクリットの「w゛ad#ra」に相当するが、「カーラン」が無くても読まぬ「r(a)」字があったりする。 注意:タイ王立学士院で推奨されるアルファベット転写法では ・実際の発音に即した転写を行う ・母音の長短は区別しない ・【’】は書かない ・声調は書かない ・【kh】→「kh」 【th】→「th」 ・【t#】→「ch」 【ng】→「ng」 ・【 ・「r・」字→【r ・「l・( ̄)」字→「lue」 ・【o( ̄)】と【@( ̄)】→「o」 【ε( ̄)】→「ae」 【 ・多重母音内の「y」字→「i 」 ・多重母音内の「w゛」字→母音始めで「u」 / 母音末で「o」 ・先導子音で挿入される【ァ】音→「a」 |