MONGOLIAN EXPRESSION in THIS SITE ⇒Wikipedia 現代のモンゴル共和国ではキリル文字で表記を行うが、中国内の自治区では伝統的な モンゴル文字が使われてきた。モンゴル共和国でもそれを使おうとかラテン文字で表記 しようとかの試みがあったがうまくいっていない。いずれにせよ本サイトでの表記には キリル文字で十分である。従って а б в г д е ё ж з и й к л м н о р с т у υ ф х ц ч ш щ ъ ы ь э ю я 及びこれらの大文字を使う。ここで「 のつもりである。以上で表記規則は終わり。 なのだが、さすがにキリル文字なので、発音の仕方も記すことにする。 ただし基本的にモンゴル共和国の公用語であるハルハ方言に準拠する。 モンゴル語の母音は文法的には3種類に分かれる、とされる。 後舌母音: 「а」=【ア】 「о」=【広口のオ】 「у」=【オ】 前舌母音: 「э」=【エ】 「 中舌母音: 「и」=【イ】 そしてモンゴル語の単語内では後舌母音と前舌母音は共存できず、どちらか一方のグループのみ で占有されることになるが、中舌母音は好きなように使える、つまりウラル・アルタイ系によく見られる 「母音調和」である。(「後舌」を「男性」、「前舌」を「女性」と呼ぶことがあるが、誤解を生みかねない のでここでは使用しない) さて、母音字を2つ重ねると長音を示すことができる。 「аа」=【アー】 「оо」=【広口のオー】 「уу」=【オー】 「ээ」=【エー】 「 ただし【イー】では「後舌語」と「前舌語」とで綴りが異なる。 【イー】=「ий」(後舌語)/「ы」(前舌語) 単母音は、アクセントが無く最初の音節でもなければ、全て弱化して「曖昧な音」に収束 してしまう。 「й」は二重母音中でも使用される。 「ай」=【アィ】 「ой」=【広口のオィ】 「уй」=【オィ】 「эй」=【エィ】 「υй」=【ウィ】 「ヤ行」の文字は独立して存在するが、2通りの読み方をする文字もある。 「я」=【ィヤ】 「ё」=【広口のィヨ】(「о」相当) 「ю」=【ィヨ】/【ィユ】(「у」/「υ」相当) 「е」=【ィエ】/【曖昧なィヨ】(「э」/「 しかしこれの長音化では読み方は全て確定している。 「яа」=【ィヤー】 「ёо」=【広口のィヨー】 「юу」=【ィヨー】 「е そして三重母音も 「яй」=【ィヤィ】 「ёй」=【広口のィヨィ】 と生じる。「ヤ行」の話が出たので拗音化(前の子音が小さい「ャ行」を帯びる)記号「ь」も挙げておく。 ь=軟音記号 そして似たような形の「ъ」は音を区切って拗音化を阻む記号になる。 ъ=硬音記号 ところで「ю」は後舌語か前舌語かで読み方は確定するけれども、「e」はそうできない。しかし実は モンゴル語の単語は第1音節の母音により第2音節の母音に制限が加わり、これにより「e」の読み も推定できる。まずモンゴル語の母音は後舌・前舌の他に別に次のような系列に分類される。 и系列 а系列 о系列 у系列 後舌: 「а」「я」 「о」「ё」 「у」「ю」 前舌: 「э」「е」 「 中舌: 「и」「ий」「ы」 ここで「ю」は舌の前後、「е」は系列による自然な読みを採る。すると母音決定の規則は次の通りになる。
母音が全て出揃ったので子音の話に移ることができる。 п=【 p 】 б=【 b 】 т=【 t 】 д=【 d 】 к=【 k 】 г=【 g 】 ф=【 f 】 в=「両唇のブァ行 」 х=「独語の強いハ行 」 с=【 s 】 з=「ヅァ行」 ш=「シャ行」 ж=「ジャ行」 ц=「ツァ行」 ч=「チャ行」 щ=「ш+ч」「シチャ行」 р=【 r 】 л=「舌脇で摩擦するサ行 」(【 l 】音でも通じないことは無い) м=【 m 】 н=【 n 】/ 語末で【英 ング】 ただし「п」「ф」「щ」「к」は外来語でのみ用いられる。 付録 お役立ちサイト 東外大言語モジュール::モンゴル語 − モンゴル語初歩 LEXILOGOS::Mongolian Keyboard online − ブラウザ上からモンゴル語のキリル文字をユニコードで入力できる |