ICELANDIC EXPRESSION in THIS SITE ⇒Wikipedia 古ノルド語 古ノルド語やその方言である古アイスランド語は伝統的にルーン文字で書かれてきたが、12c頃からラテン文字 で記されるようになった。その具体的な記号は当サイトでは次のように記すこととする。 a e i o u y oレ a´ e´ i´ o´ u´ y´ oレ´ ae oe b d dh f g h j k l m n p r s t v x z th ・「´」=長音 ・「y」=【独ウムラウト「ュ」】 ・「oレ 」=【「ア」っぽい「オ」】 ・「 「oe 」はその長音 ・「ae 」=【「ア」と「エ」の中間音】 ・「ey」〜「 ・「j 」=ヤ行 ・「p 」/「b 」=氷語では「p」音の有/無気2種(よって両者とも【p】っぽい) ・「t 」/「d 」=氷語では「t」音の有/無気2種(よって両者とも【t】っぽい) ・「k 」/「g 」=氷語では「k」音の有/無気2種(よって両者とも【k】っぽい) ・「th 」/「dh 」=「英語の th」清濁2種 (本当は「thorn 」字と「edh 」字) ・「z 」=「ツァ行」 ・「x 」=【摩擦する ks 】 以上が当サイトにおける古ノルド語及び古アイスランド語の転写規則である。しかし一般には例え古語であっても 現代アイスランド語のアルファベットで書いたり読んだりしてしまうことも多いのだが、現代アイスランド語では 「oレ 」「oe 」等の音は他の音に吸収されて消失し、「 そういった変化を加味し、外来語用の文字を上記の転写記号に加えれば、現代アイスランド語アルファベットの 出来上がりになる。 a a´ b c d dh e e´ f g h i i´ j k l m n o o´ p q r s t u u´ v w x y y´ z th ae o¨ (ただし 「c」=【s】 「q」=【k】 「w」=【v】 は外来語等でのみ使用 また、現代では「z」=【s】になった) 当サイトでも現代アイスランド語の表記には当然このアルファベットを使う。 これで話は終わりなのだが、一般の用のために現代アイスランド語の読み方を解説しておく。 現代では、「´」の有無は長短に関係がないし、「´」音の一部は音色自体が変化して二重母音になった。 現代における母音字の読みの変化は基本的には次の通りになる。 ・「a」=【ア(−)】 「a´」=【ア(ー)ゥ】(単語によっては【ア】音) ・「e」=【エ(ー)】(ただし原則的に単語「hver(=each、who)」でのみ【独ウムラウト「ュ(ー)」】) 「e´」=【イェ(ー)】 ・「i 」=「y」=【エっぽいイ(ー)】 「i´」=「y´」=普通の【イ(ー)】 ・「o」=【オ(−)】(話者によっては【広口のオー】) 「o´」=【オ(ー)ゥ】(単語によっては【オ】音) ・「o¨」〜「 ・「u」=【独ウムラウト「ュ(ー)」】(弱勢で「o¨」だが無視OK)/後置定冠詞の前で【オ】 「u´」=【ウ(ー)】 ・「ae 」=【ア(ー)ィ】(単語によっては【ア】になる) ・「au」〜「o¨(ー)y」字の音(単語によっては「o¨」字の音または【独ウムラウト「ュ(ー)」】) ・「ey」=「ei 」=【エ(ー)ィ】(単語によっては【エ】になる) ここで(ー)は長短両方で使えることを示している(従って二重母音にも長短2種がある)、のだが基本的には ・アクセントの無い音節では母音は「短く」読む。 ・アクセントのある音節では母音は基本的に「長く」読むのだが、子音連続の前では条件が限られ、 それは「p、t、k、s」+「v、j、r 」の形の子音連続の直前のみであり、それ以外の子音連続の前では「短い」。 ・アクセント付き音節が2つ以上並ぶ時は、後続のものは半分の長さになる。半分の半分は「短い」音と見なす。 であるという決まりがある。またさらに、 ・「ng」「nk」(「n」と「g」「k」は同じ音節の中にある)の前の「a」「e」「i 」「o」「u」「y」「o¨」 →「a´」「ei 」「i´」「o´」「u´」「y´」「au」字の音になる (実際にそのように綴ってしまう人もいる) ・「gi 」「gj 」の前の「a」「e」「i 」「o」「u」「y」「o¨」 →概ね「ae 」「ei 」「i´」「oi´」「ui´」「y´」「au」字の音になる のような現象も見られる。 次に子音の読みで注意すべき点を列挙する。基本的な読みは上の方で述べたことと変わらない。 (以下、「摩擦するカ行」→「χ」、「摩擦するガ行」→「γ」、「子音C の無声音」→「C ゜」などと記す) ・「b」 ・語末では気息を帯びる(つまり「p」字の音になる) 語末の「bb」はこの音の連続になる。 ・「m」と「d」「t」「g」「s」の間で脱落。 ・「d」 ・「l 」と「g」「n」の間、「n」と「g」「l 」「s」の間で脱落。 ・「g」 ・語頭かつ「e」「i 」「i´」「y」「y´」「ae 」「ei 」「ey」の前で口蓋化し「キャ行」になる。 ただし例外的に語句「geyidh mitt(=my puppie)」では普通に読まれる。 ・「gj 」は融合して口蓋音「キャ行」(↑と同じ音)になる。 ・母音と「i 」の間では「j 」字の音となり、直前の母音は二重母音でなければ後ろに【i 】を帯びた二重母音となる、 つまり「V gi」〜【V ィイィ】のようになる。 ・母音の間、母音と「r」の間では「摩擦するガ行」(つまり【γ】)になる。 ・「dh」の前では【γ】音も許される。 ・母音と「s」「t」「st」の間では「摩擦するカ行」(つまり【χ】)になり、同条件の「gg」も同じ音になる。 ただし「a´」に続く「gt」はしばしば【ht】音になる。 ・「gld」は【χlt】音になるが、音位転移した【lkt】音も許されることがある。 同様に「glt」「glst」においても【χ】音になるが、【χ】と「l 」が反転する読み方が許されることがある。 ・語末でさらに長母音の後かアクセント無しなら「χ」(またはその半有声音)になる。 ・「gudh(=god)」とその合成語では「gv」字の音になる。 ・「ng」においては(「n」と「g」が同音節内で無くとも)「n」は【ング】音になるが、 さらに直後に「j 」「v」以外の子音が続くなら、「g」は脱落する。 直後に「j 」「v」以外の子音が続く「gn」においてはこれらの変化が無条件に起こる。 (ここで生じた【ング】音については「n」の項を参照、同一音節内の母音+「ng」については母音の項を参照) ・次の場合は脱落する:語末で「a´」「o´」「u´」の後ろ、「a´」「o´」「u´」と「a」「u」の間、 母音と「j 」の間、「l 」と「d」「t」「n」(そしてしばしば「s」「sn」)の間、「r」と「dh」「t」「n」の間、 接続法現在で語根の「u´」と語尾「i 」の間。 ・口語の「e´g(=一人称代名詞単数主格)」では「g」は脱落することが多い。 ・「p」 ・「l 」「n」の前では「hb」字の音になり、「pp」も「hb」字音になる。 ・母音の間、母音と「r」の間、語尾以外で「s」の後ろでは気息を失う(つまり「b」字の音になる)。 ・「l 」「m」「dh 」の後ろで気息を失い(「p」字の音)、「l 」「m」「dh 」は無声音になる。 ・語末の「ps」「psk」「pst」においては【f】音になる。 ・「t」 ・「l 」「n」の前で「hd」字の音になり、「tt」自体も「hd」字音になる。 ・母音の間、母音と「r」の間、語末でなく「s」の後ろにある時は気息を失う(「d」字の音になる)。 ・「l 」「m」「dh 」の後ろで気息を失い(「d」字の音)、「l 」「m」「dh 」は無声音になる。 ・「ft」「fnt」については「f」の項、「a´gt」については「g」の項を参照。 ・直前「s」と直後の「r」でない子音の間で脱落する。 「s」「st」の前でも脱落するが、それ以外の発音も許されることがある。 ・「k」 ・「l 」「n」の前で「hg」字の音になるが、「s」と「a」「u」「l 」「n」「r」の間、母音と「a」「u」「r」の間、語頭の「sk」内では 気息を失い「g」字の音になる。「kk」自体は「hg」字の音になる。 ・「nk」においては(「n」と「k」が同音節内で無くとも)「n」は【ング】になるが、「n」の項によりこれは無声音になり、 「k」は気息を失う(「g」字の音)。「l 」「m」「dh 」の後ろでも気息を失い、「l 」「m」「dh 」は無声音になる。 ・語頭かつ「e」「i 」「i´」「y」「y´」「ae」「ei 」「ey」の前では口蓋音化し「キャ行(の有気音)」になる。 ・「kj 」は融合して口蓋音「キャ行(の有気音)」(↑と同じ)になる。 ・母音及び「s」と「i 」「j 」の間では口蓋化音「gj 」字の音になる。 ・「k」の変化した「g」字音も口蓋化の対象となり得る。 ・「s」「t」「st」の前では【χ】音になるが、「l 」「n」「r」「s」と「t」「st」の間では脱落する。 語句「sy´knt og heilagt(=innocent and holy)」においても脱落する。 ・「dh 」 ・「k」の前で無声音(つまり「th 」字の音)になることがあり、「k」は気息を失い「g」字の音になる。 ・「r」と「s」、「g」と「s」の間で脱落する。 ・語末では半有声になる。 ・「th 」 ・母音で終わる動詞の直後の人称代名詞においてはしばしば有声音になる(「dh」字の音になる)。 ・「v」 ・「hv」は話者によって「kv」字音・【χw】音・【χ】音になる。 ・「a´」「o´」と「a」「e」「i 」「o」「u」「y」「o¨」の間でしばしば脱落する。 ・「f」 ・母音の間、母音と「g」「j 」「r」「dh」「l 」の間、「l 」「r」と母音または「r」の間では有声化して【v】音になる。 ただし固有名詞などでは母音間であっても例外的にそのままの音となることもある。 「V fld」内では「f」=【v】と「l 」の位置反転した音または「f」の脱落した音も許される。 ・「l 」「n」の前で「b」字の音になるが、「l 」と「d」「n」「r」「s」「t」の間や「r」と「dh」「l 」「n」「t」の間では脱落する。 ・「fnt」「fnd」は両者とも【mt】【m゜t】【ft】音になる、つまり「f」は概ね脱落する。 ・次の語では「ft」が「hd」字の音になることがある。 「aftur(=backward、again)」 「aftan(=backward)」 「eftir(=after)」 ・語末で長母音や「l 」「r」の後ろにある時は半ば有声になる。ただし「ff」内ではそのままの音を保つ。 ・「h」 ・「hv」については「v」字の項目を参照。 ・「hj 」において「j 」は無声音になる(最近では融合・口蓋化して「独語のヒャ行」になる)。 ・「hann(=3人称男性代名詞単数主格・目的格)」「hu´n(=3人称女性代名詞単数主格)」が 文中でアクセントが置かれぬ時の「h」は脱落する。 ・合成語において後半の頭の「h」は脱落することが多い。 ・「j 」 ・「gj 」「kj 」については「g」「k」の項目を参照。 ・「h」の後ろで無声音になる(「h」の項を参照) ・「l 」 ・語頭の「hl 」、語末で「f」「g」「k」「p」「r」「s」「t」の後ろにおいては無声音になる。 ・「p」「t」「k」の前でも無声音になるが、「p」「t」「k」は気息を失う(つまり「b」「d」「g」字の音になる)。 ・母音の間、母音と「r」「n」の間で「ll 」は「dl 」字の音になる(外来語などは除く)。 ・「gld」「glt」「glst」については「g」の項を参照。 ・「m」 ・語末で長母音や有声子音の後では無声音になる。ただし「mm」ではそのままである。 ・「p」「t」「k」の前でも無声音になるが、「p」「t」「k」は気息を失う(つまり「b」「d」「g」字の音になる)。 ・「n」 ・語頭の「hn」、語中の「tn」、語末で無声子音や「r」の後ろにある時は無声音になる。 ・「nn」は「a´」「e´」「i´」「o´」「u´」「y´」「ae 」「au」「ei 」「ey」の後ろで「dn」字の音になるが、 語尾では↑によって後半の「n」が無声音になる。 ・「ng」「nk」の直前の母音の変化は「母音」の項で既出。 ・「ng」「gn」「nk」において【ング】となる場合については「g」及び「k」の項を参照。 この【ング】音の(脱落字を飛ばして)直後に「p」「t」「k」が続くと【ング】音は無声音となり「p」「t」「k」は気息を失う、 つまり「b」「d」「g」字の音になる。従って「nk」では常にこの変化が生じる。 (最近では、「ng」「nk」において脱落しなかった「g」「k」がさらに後ろの母音によって口蓋化音「キャ行」になるなら、 【ング】もそれに引かれて【ニュ】音になる) ・「r」「t」と「s」「t」の間で脱落する。 ・「r」 ・語頭の「hr」、語中の「k」「p」「st」の前、活用語尾「s」「st」の前で無声音になる。 ・「rl 」「rn」においては「rd」字の音になるが、「d」字の音も許されることがある。 ・語末では半有声または無声音になる。ただし「rr」ではそのままである。 ・「nd」「nt」「s」「sk」「sn」「st」の前では脱落するが、それ以外の発音も許されることがある。 (例えば「rnd」では「rn」が優先されることもある) ・「x」=【χs】 ・「z」=【s】 付録 お役立ちサイト LRC Old Norse Online(英) − 古ノルド語入門 ノッティンガム大::古ノルド語辞書(英) Mimir - Icelandic Grammar Notebook(英) − 氷語文法 ウィスコンシン大マディソン校::氷⇒英辞書(英) − 活用形でも引ける 発音記号は無い アイスランド国務省翻訳センター::氷⇒英辞書(氷・英) − 英⇒氷語辞書としても使える 発音記号は無い 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