ETHIOPIAN LANGUAGES TRANSCRIPTION in THIS SITE ⇒Wikipedia 紀元前5c頃から10cにかけて、アフリカの紅海沿岸エリトリアではセム語系のアクスム王国が 貿易によって繁栄した。アクスムの王は、ソロモン王とシバの女王との間の子の子孫であると 自称していたが、彼らの言語であるゲエズ語も南アラビア系の文字で書かれた。セム・ハム系 の言語に似合わず、ゲエズ文字は子音と母音の結合した音節文字として定義され、左から右へ 書記された。 本サイトのゲエズ語の音価は次のように書くものとする。 a a ̄ i ̄ u ̄ e ̄ o ̄ э y w ’ ‘ h h‘ k k’ g kh kw k’w gw khw t t’ d n sl sl’ l s s’ z r p p’ b f v m ・「a」=【アとエの中間音】 「э」=【曖昧母音】 ・「V  ̄」=母音「V 」の長音 ・「’」=【声門破裂音】 「‘」=【有声咽頭摩擦音】 (いずれも便宜上は「単なる音の区切り」として扱ってよい) ・「h‘ 」=「咽頭化による強勢のハ行 」 ・「kh 」=「喉彦で摩擦するカ行 」 ・「sl 」=「舌脇で摩擦するサ行 」 ・「C ’ 」=子音「C 」の放出音化による強勢音 ただし「k’ 」は「喉彦で破裂するカ行 」であるかもしれない ・「C w 」=子音「C 」の円唇化音 歴史の常としてアクスム王国も永遠ではありえず、エリトリアからエチオピアにかけて様々な王朝 が興っては消えたが、彼らの言語もゲエズ語の親類であり、表記にはゲエズ文字を使った。ただし ゲエズ語にない音のために新たに文字を作る必要があった。それらは 「x」=「摩擦するカ行、独語の強いハ行」 及び その唇音化「xw 」 「k’% 」=「気息を伴う k’ 」 及び その唇音化「k’%w 」 「t# 」=「チャ行」とその強勢音「t#’ 」 「d#」=「ヂャ行」 「s# 」=「シャ行」 「z# 」=「ジャ行」 「n# 」=「ニャ行」 「ng 」=「ンガ行」とその唇音化「ngw 」 のように表すこととする。そうすると具体的な字形は次のようになる。ただし「Cэ」字は単独子音を 示すこともあるが転写上は単に「э」を書かないだけとする。(灰色背景は新しく定義された文字)
アクスムの子孫を称したエチオピア最後の王朝であるソロモン朝以降はアムハラ語が優勢であり、 現エチオピアの公用語となっているわけではあるが、ゲエズ語の直接の子孫はティグリニャ語で あると一般には考えられている。現代語においては次のように発音が変化している。 ・鼻音の長短は曖昧になった ・「э」→【中舌の「イ」 】 ・アムハラ語では「‘」〜「’」 ・ティグリニャ語では促音(つまり子音連続)が明記されない ・「sl 」→【s】 アムハラ語で「s’」「sl’ 」→【ts】 ・「kh 」→【h】 アムハラ語で「x」→【h】 エチオピアは早くからキリスト教を受け入れ、一貫してキリスト教国であり続けたわけだが、未だに エノク書などの外典も教典として扱われており、公的礼拝ではゲエズ語が使われ続けている。 注意:通常の転写法では ・「a」→「a¨」 ・「э」→発音記号 ・「 ̄」→普通は明記されない ・「h‘ 」→「h.」 ・「C ’ 」→「C .」 ただし「k’ 」→「q 」も使われる ・「C w 」→「C w」 ・「kh 」→「h∪」 ・「sl 」→「s´」 ・「t# 」→「c 」 ・「d# 」→「j 」 ・「s# 」→「s∨」 ・「n# 」→「n~」 ・「C % 」→「C h」 |