AVESTAN TRANSCRIPTION in THIS SITE
                                         ⇒Wikipedia アヴェスター文字

所謂ゾロアスター教の教祖ザラトゥシュトラの聖なる言葉「アヴェスター」は長らく口伝であったが
文書化されたのはサーサーン朝ペルシャになってからで、イラン語派だが厳密にはペルシャ語では
ないザラトゥシュトラの東方イラン語の発音を正確に再現できるよう新たに考案されたアヴェスター
文字で書かれている。ただし現在では読み方は失われているので細かい点では諸説がある。
(実は管理人もよく分かっていないので以下の話は予告無く変更する場合がある。)

当サイトではアヴェスター文字の各々に記号を付して表記する。
まず母音は次のような記号を使う。

 a   i   u   e   o   э   @    an эn

 a ̄ i ̄ u ̄ e ̄ o ̄ э ̄ @ ̄

 ・「  ̄」=母音「 」の長音化
 ・「э」=【曖昧母音】  「@」=【「ア」と「オ」の中間音
 ・「an 」=「a」の鼻音化【アン】  「эn 」=「э」の鼻音化

半母音は

 y y´ w゛ r

 ・「y´」=「y」類の音だが詳細不明 (常に語頭に出現?)
 ・「w゛」=【v】音もしくは【wとvの中間音】 「u」に対応する半母音
 ・「r」=「эrэ」は文法的に一つの母音のように振舞うが、これに対応すると考えられる
 ・「ii 」〜「y」や「uu」〜「w゛」のような用法もある。

鼻音は

 m  m´
 n   n´  n#
 ng  ng´     ngw゛

 ・「m´」=恐らく気息を伴う【mh】のような音
 ・「n´」=恐らく「t」「d」前で【n】、「k」「g」前で【ング】、「p」「b」前で【m】と引きずられる鼻音
 ・「n# 」=「ニャ行
 ・「ng 」=【ング
 ・「ng´」=「ng 」類の音だが詳細不明 (常に「i ng 」の形で出現?)
 ・「ngw゛ 」=「ng+w゛」のような音


残りの子音は

 p  b  ph  bh
 t  d  th   dh  t#  d#
  t´
 k  g  kh  gh      g#     kh# khw''
 s  z         s#  z#
              s#´s##
 h

 ・「 h 」=子音「 」に対応する摩擦音
  「ph 」=「両唇で摩擦するファ行 」 (或いは【f】?)   「bh 」=「両唇で摩擦するブァ行
  「th 」=「英語の澄んだ th 」   「dh 」=「英語の濁った th
  「kh 」=「独語の強いハ行 」   「gh 」=「濁った kh によるガ行
 ・「 # 」=子音「 」の開拗音または常に後ろに「y」を従える音
  「t# 」=「チャ行」  「d# 」=「ヂャ行」
  「g# 」=「ギャ行」  「kh# 」=恐らく「独語の強いヒャ行 」 (常に「y」を従える?)
  「s# 」=「シャ行」 (常に語末?或いは「s#t」「s# t#」の形で出現?)
  「s#´ 」=「s# 」類だが詳細不明 (常に語頭か語中に出現?)
  「s## 」=「s# 」類だが詳細不明 (常に「s## y 」の形で出現?)
  「z# 」=「ジャ行」
 ・「t´」=恐らく反り舌を帯びた強い「t 」音 (語末、または「kt´」「bt´」の形でのみ出現?)
 ・「khw゛ 」=「kh+w゛」のような音


以上で表記規則を終わるが、厳密を記するためアヴェスター文字も示しておく。
 a=「a」   i=「i 」   u=「u」   e=「e」  o=「o」  shwa=「э」  aO=「@」
 long a=「a ̄」 long i=「i ̄」 long u=「u ̄」 long e=「e ̄」 long o=「o ̄」 long shwa=「э ̄」 long ao=「@ ̄」
  an=「an 」                              shwa nasalized= 「эn
 y middle=「y」  y initial=「y´」  v=「w゛」  r=「r」
  k=「k 」 kh=「khg=「g 」 gh=「gh 」           ng =「ng
 kh before y=「kh# 」      g before y=「g# 」                 ng after i=「ng´」
 khv=「khw゛ 」                             ngv =「ngw゛
 c=「t# 」        j=「d# 」                 n before y=「n#
 t=「t 」 th=「thd=「d」 dh=「dh 」  t ending=「t´」   n =「n 」 nasal C=「n´」
 s=「s」 h=「h」  z=「z」
  sh ending= 「s#sh initial middle=「s#´」 sh before y=「s##zh=「z#
 p=「p」  ph=「phb=「b」 bh=「bh 」         m=「m」 m aspirated=「m´」



付録 お役立ちサイト

 avesta.org(英) − 色々文献
 LRC Old Iranian Online(英) − 入門
 蓮池利隆のページ::参考ファイル − アヴェスタ語教科書の日本語訳とかが落とせる(WebArchiveが生きてます)



注意:学術的な実際の転写法は次の通り
 ・「э」→発音記号
 ・「@」→「a゚」 または 発音記号
 ・「an 」→「a 」「a~」など
 ・「эn 」→「a 」など
 ・「w゛」→「v」など
 ・「 w゛ 」→「 v」など
 ・「y´」→「y
 ・「m´」→「m
 ・「n´」→「n.」
 ・「n# 」→「n´」
 ・「ng」→発音記号も使われる
 ・「ph 」→「f 」
 ・「bh 」→発音記号「β」
 ・「t´」→「t~
 ・「th 」→発音記号「θ」
 ・「t# 」→「c」
 ・「dh 」→発音記号 または「δ」
 ・「d# 」→「j 」
 ・「kh 」→発音記号「x」
 ・「xh# 」→「x´」
 ・「gh 」→発音記号 または「γ」
 ・「g# 」→「g
 ・「s# 」→「s」 (以下では「」は小さい「X」でなく「^」の反対のつもり)
 ・「s## 」→「s´」
 ・「s#´ 」→「s.」
 ・「z# 」→「z



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